2011年2月23日水曜日

イタリア人と匂いと臭い。

ピエモンテ州の郷土料理に「バーニャカウダ」というニンニクをたっぷり使った料理があるけれど、すでに日本では一般の主婦の皆さんがパーティー料理に作ったりして、さすが日本の味覚は懐が広い!と感心することしきりの一方で、日本で一般的にある「イタリア人は料理にニンニクと唐辛子を好んで使用する」という常識が、特に北イタリアではまったく当てはまらない!という事実にぶち当たるわけです。

「バーニャカウダ」などは逆に、若い女性には毛嫌いされている感が。冬に「バーニャカウダやるわよ」と言う声がかかると、全身で拒否を示すあの若い女性たち。若いの範疇には40代前半くらいまで入れるイタリアのことなので、ほぼ半数がNO。
理由は、臭いが嫌。消化できない。とか言ってますが、単に他の人にくさいと思われたら嫌というだけのこと。料理に対して、臭いがきつい事をここまで忌む感覚は日本人にはないと思うけど。焼肉だって、一応気にはするけど何だかんだいってみんなの好物だし…。

オフィスでも、お昼近くになると近くのピッツェリアから魚を焼く臭いや(ピッツェリアって、どういうわけか魚料理が自慢のところ多いですよね?)中華料理屋の揚げ物の匂いが漂ってくるのですが、それを「臭い」と評する女性の多いこと。
お昼だってみな超小食だし、サラダとか低脂肪のチーズひとつで済ます人、夏になればひたすら果物を食べて終わりにする人などがほとんど。毎食どこかに定食を食べに行っていた日本でのランチ生活を考えると、それだけでげっぷが出てしまう小食なイタリアランチ模様。中には食パンしか受け付けないという、嫌いなものは成長に必要ないものと無理に食べさせることのない偏食の権化のような人も。

食後も部屋の換気は絶対に欠かさないし、中華にでもランチに行こうものなら「服が揚げ物臭くなっちゃったー」と先制防御することも忘れない。どうりで室内のデオドラントが売れるわけです。

ニンニクのほかにも、生のたまねぎはダメ、辛いものはダメ、とダメなものが一杯。スシブームのおかげで生魚もOKと言う人もいるけれど、魚の臭いがダメ、海苔の臭いがダメ、イタリアン以外は信用してないので口にしない、と言う人もまだまだいるし。

もし、イタリア人女性を自宅でもてなすようなことがあれば、サラダを作っておけばOK。葉っぱなら文句言いませんから。あとは、チキン。グリルしただけ、とかで十分です。食後にデザートをたっぷり用意しておけばフォローも完璧ということで。

それにしても、さらっとバーニャカウダのレシピアップしたり、パーティーに取り入れたりするってやっぱりすごい。イタリアの主婦の間だったら、あと二千年くらい経ってもしょっつる鍋は絶対ブームになり得ないし。

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